瀬戸内高校の春、最期まで目の離せない熱い試合
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    先日行われた第90回記念選抜高校野球大会に瀬戸内高校が出場されました。結果は、明秀日立(茨城県)に3―4で敗れてしまいましたが、本当に最後まで目の離せない熱戦を見せてくれました。

     

    以下転載いたします。

     

    広島)瀬戸内、こぼれた勝利 堅守の要「戻ってくる」

    http://www.asahi.com/koshien/articles/ASL3R2QB6L3RPITB003.html

     

    勝利まで、あと少しだった。瀬戸内は開幕初日の23日、明秀日立(茨城)と接戦を展開。1点リードで迎えた九回に逆転され、敗れた。それでも再三のピンチを無失策の堅守でしのぎ、ひたむきにプレーし続けた選手たちに、スタンドから温かい拍手が送られた。

     

    ■堅守の要「戻ってくる」 東大翔捕手(3年)

     「直球に力負けしない」

     攻守を引っ張った捕手の東大翔(ひがしかける)君(3年)は、初の甲子園の打席で、こう意気込んでいた。一回2死、追い込まれてもファウルで粘り、8球目の直球を右前へ運ぶ。チームにとっても初安打だ。「浴本(えきもと)のために1本打ちたい」との思いからだった。さらに後続が3連続四球を選び、自ら先取点のホームを踏んだ。

     

     東君とエースの浴本一樹君(同)は、中学からバッテリーを組んでいる。地元・山口県の硬式野球チームで、中学3年の時には全国大会でベスト4に入った。

     

     卒業後は「強豪校がひしめく広島で力をつけたい」と、捕手出身の長谷川義法(よしのり)監督率いる瀬戸内に進学。山口県内の高校と悩んでいた浴本君も「東が一緒なら」との思いで瀬戸内を選んだ。2人でもう一度全国の舞台に立つために。

     

     そして迎えた甲子園での初戦。「無理に勝負せず、ボール球も使って打者のタイミングを外そう」。明秀日立の積極的な打撃を警戒し、浴本君と対策を練った。立ち上がりに変化球を打たれ、2死満塁のピンチとなっても、浴本君を強気でリードし、内角の直球で二飛に打ち取った。

     

     「浴本は修正能力がある」との分析通り、変化球をコースに投げ分けながら、勝負どころでは低めに直球を要求して再三のピンチを防ぎ、終盤までリードを守った。しかし九回に3連打を浴びて同点となり、浴本君は降板。その後勝ち越し点を奪われ、あと一歩で涙をのんだ。

     

     「悔しさしかないです」。つかみかけていた勝利を逃し、試合後東君は硬い表情だった。勝負どころとなった九回については「勝ちを意識して、攻め急いでしまった」と悔やんだ。

     

     それでも、まだ夏がある。「甲子園で勝つという目標のために、必ず戻ってきます」(原田悠自)

     

     

    広島)夏の瀬戸内、期待上々 光った堅守

    http://www.asahi.com/koshien/articles/ASL3S4WJVL3SPITB006.html

     

    第90回記念選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)に出場した瀬戸内は明秀日立(茨城)に3―4で敗れた。だが最後まで目が離せない好ゲームを繰り広げたことは評価したい。瀬戸内の「春」を、担当記者が振り返る。

     

    「終盤まで接戦にして、最後は1点差で勝ちたい」

     23日の初戦の前、長谷川義法(よしのり)監督は理想の試合展開についてこう話した。念頭にあったのは、「守り勝ち」だったのだろう。ゆえにどんな状況でも対応できるようにと、ゲーム形式での守備練習に重点を置いてきた。同時にチームワークもポイントの一つ。こうした持ち味は、開始早々のプレーに表れた。

     

     サイレンが鳴りやまない中で長打を打たれ、走者が本塁をねらう。あわや失点かと思った矢先、東大暉(ひがしたいき)左翼手(2年)と新保利於(しんぽりお)遊撃手(3年)が好送球でつないで本塁を守り、ピンチをしのぐ。その後浴本(えきもと)一樹投手(同)の打たせて取るピッチングで失点を最小限に抑える一方、四回まで計5安打で3点を奪うなど、効率のよい攻撃を見せた。

     

     九回までは長谷川監督の予想通りの展開が実現するかに思えた。しかし九回表、浴本投手が3連打を浴びて降板。この日の投球数は157球に及んでいた。長谷川監督は「九回が始まった時点で代えるべきだった」と悔やんだが、確かにあのタイミングは議論があるだろう。

     

     それでも続く九回裏、2死三塁の好機をつくり、4番の門叶直己(とがのなおき)君(同)の打席を迎えた。門叶君は昨秋の中国大会で1試合に4本塁打を放ち、注目を浴びていた。ここまで3打数1安打。「一発」に期待がかかったが、はやる気持ちがあったのか、初球に手を出して打ち取られた。「プレッシャーの中、冷静になれなかった」。試合後、目頭を押さえてそう答えた。

     

     1点差の勝利ではなく、1点差の敗北。だが大舞台で失策ゼロだったことは、自信につながるはずだ。

     「100回目の夏」が、やってくる。瀬戸内がこの経験を生かせるか。それともほかのチームが勝ち上がるか。夏が、楽しみでならない。(新谷千布美)

     

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